高純度なβグルカンの製造方法

古典的なキノコ由来のβグルカン サプリメント・健康食品の多くは、破砕磨り潰しで粉末化されているだけだろう。キノコが本来持っているたんぱく質や脂質もほとんどそのままに製品の中に残っている。これらのたんぱく質や脂質はβグルカン(ベータグルカン)にとっては不純物であり、取り除かれることが望ましい。

しかし、古典的なキノコ由来のβグルカンサプリメントの販売店では、これらの「不純物」を「豊富な栄養素」としてビタミン・ミネラルも含むメリットを宣伝しているから呆れる。βグルカンサプリメントは不純物を取り除き、βグルカンの純度を上げることで効果効能を上げてきたのが近年のβグルカン隆盛の歴史である。βグルカンが純度が高い程に効く可能性も高いのであるが、工程が長くなることで販売価格も高価になる傾向がある。 現在に最も高純度なβグルカンサプリメントは、パン酵母から抽出精製することで製造されている。

パン酵母であるイースト菌は体の内部の細胞壁がβグルカン(ベータグルカン)で出来ている。このβグルカンの細胞壁は、細胞膜と細胞質周りに薄い網状の袋の形で包まれている。さらにマンノプロテインという糖たんぱく質層がこの薄い網状の袋を包んでおり、これらの膜は、人間が食べても消化されないために、パン酵母そのものを食べてもβグルカンが露出しないのだ。 免疫活性作用を得るためには、内部の細胞壁のβグルカンを抽出せねばならない。 内部のβグルカン(ベータグルカン)を抽出するためには、表面にある糖たんぱく質を化学的にβグルカンから切り離し、その後、酵母に含まれているタンパク、脂質、核酸、ミネラルやその他の成分を分離する工程が必要となる。

露出された酵母細胞壁はさらに酸素反応(加水分解型)によって細かく切断されて、β1,3Dグルカンが取り出されるのだ。この工程の中で最も重要なのは、免疫増強力を持つベータ1,3Dグルカンの鎖を無傷な形で保存することだ。βグルカンの中でもベータ1,3Dグルカンだけが免疫活性に有効な成分だからだ。

これらの工程は全て、βグルカンの純度を高めると同時にたんぱく質や脂質などの不純物を除去し、最終的にβ1,3Dグルカンが最大化されるように工夫されてきた。

殆ど全ての工程で製法特許が出願されている。