酵母アレルギーを持つ人の酵母βグルカン適性

パン酵母から抽出したβグルカンサプリメント・健康食品は、酵母アレルギーを持つ患者でも安全に使用できる。 パン酵母由来βグルカンの歴史は、酵母アレルギー克服の歴史だったため十分に対策された製品だけが現在販売されているからだ。

1940年代に開発されたパン酵母由来βグルカンの原型「ザイモサン」は、がんをはじめとする免疫疾患に対して非常に高い効果が示された。しかし、一部の酵母アレルギーの患者に対しては、アレルギー反応が発現したために投与を中止せざるをえなかった症例が少なからず発生したのだ。

その後、酵母アレルギーの原因が酵母を覆っているマンノプロテインというたんぱく質に起因していることが判明した。それと並行してβグルカン(ベータグルカン)の精製度の競争も激化した結果として、パン酵母由来のβグルカンサプリメントは非常に高純度化された。その副産物として、酵母アレルギーの原因だったはずのマンノプロテインは精製の際に除去されてしまっていたのだ。

1990年代初頭から現在の60~80%前後まで高い含有率に精製されたβグルカン(ベータグルカン)が販売されるようになったが、ここまで高い純度に精製されたβグルカンには、もはや酵母アレルギーを引き起こす たんぱく質は残っていなかった。

今では、酵母アレルギーを持つがん患者でさえも、安心してパン酵母由来のβグルカンサプリメントを利用することができるようになっている。その安全性の証明は欧米だけでなくアジアでの利用実績が広がる一方で、米国では食品医薬品局が「GRAS(安全が保障されている食品)」に認定していることからも知れられている。