βグルカンの粒子サイズ

βグルカン(ベータグルカン)の健康食品に関して、「粒子サイズ」「超微粒子」といった粒の大きさが比較されたのは、原始的なキノコ破砕食品が流行していた時代の話だ。実質は無意味でも、キノコをミクロン単位まで細かく磨り潰すことは、至難の業であったかもしれない。

これらの「粒子が小さい方が吸収が良いから、効果も高い」という説明は、一見は理屈が通っているようだが、βグルカンの小腸での吸収経路を照らし合わせると、デタラメであることが判る。βグルカンを吸収するマクロファージは10ミクロン前後よりも大きなβグルカン分子でさえも捕食してしまう。

ここで、パン酵母から抽出されるβグルカン(ベータグルカン)は、製造された時点で全て数ミクロンの微粒子である。原料のパン酵母が10ミクロン前後の大きさしかないのだから、そこから精製抽出されたβグルカンは数ミクロン以上の大きさにはならない。つまり、酵母から抽出されたβグルカンは全て「超微粒子」なのだ。

当たり前に備えている微粒子としての形状を不必要に強調する宣伝には裏にまやかしがあると考えるのが妥当だろう。